
2027年から、所得税の上乗せ分の内訳が入れ替わる
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税率が変わる、という話を聞いたとき、僕がまず知りたかったのは「いくら増えるのか」ではありませんでした。自分が毎年やっている作業のどこが変わるのかのほうです。書き写す欄が増えるのか、使う数字が変わるのか、それとも何も変わらないのか。
国税庁のタックスアンサーを3ページ開いて、注記を読みました。結論から言えば、看板になっている数字は動きません。動くのは、その上に乗っている部分の内訳だけでした。ただ、同じ制度について2つのページが違う書き方をしていて、そこで一度手が止まりました。
税額がいくらになるかを計算する記事ではありません。国税庁のページに何と書かれているかを写し、僕が自分の作業のどこを変えたかを書きます。掲載は令和8年4月1日現在法令等の表示があるページを2026年9月18日に読んだ時点のものです。自分の申告がどうなるかは、所轄の税務署または確定申告書等作成コーナーでご確認ください。
看板の15パーセントと5パーセントは動かない
No.1522「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」の本文はこうです。居住者などが一定の先物取引の差金等決済をした場合、その事業所得・譲渡所得・雑所得については「他の所得と区分して、所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の税率による申告分離課税となります」。
この一文に、今回の改正の話は入っていません。変更が書かれているのは、その下の注記です。15と5は、読むページを間違えなければ今回の件と関係がない。ここを最初にはっきりさせておくと、あとの話が短くなります。
上乗せ分が2.1パーセントから1.1パーセント+1パーセントになる
同じページの注記を引きます。
「平成25年から令和29年までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(その年分の基準所得税額の2.1パーセント)を併せて申告・納付することになります。なお、令和9年分以後は、復興特別所得税額が、基準所得税額の1.1パーセントとなり、防衛特別所得税を、基準所得税額の1パーセントの税率で、所得税および復興特別所得税と併せて申告・納付することになります。」
並べるとこうなります。
| 年分 | 復興特別所得税 | 防衛特別所得税 |
|---|---|---|
| 令和8年分まで | 基準所得税額の2.1パーセント | — |
| 令和9年分以後 | 基準所得税額の1.1パーセント | 基準所得税額の1パーセント |
令和9年は2027年です。令和29年まで復興特別所得税が続くという記述はそのまま残っていて、税率だけが下がる形になっています。
1.1と1を足せば2.1になります。ただ、この合計値はページに書かれていません。書いてあるのは内訳の3つの数字だけです。僕は自分で足した数字に出典のリンクを付けないことにしているので、ここも内訳のまま置いておきます。実際の納付額は控除や他の所得の有無で変わるので、足し算だけで結論を出せる話でもありません。
No.1521とNo.1522で、書き方が違う
ここが引っかかったところです。
FXについてはNo.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」という専用のページがあります。そちらの注記では、令和9年1月1日以後に生ずる所得について「復興特別所得税の税率が1.1パーセントに引き下げられ、防衛特別所得税(源泉徴収すべき所得税の額の1パーセント相当額)が併せて源泉徴収されます」と書かれていました。
No.1522は「申告・納付」、No.1521は「源泉徴収」。同じ改正を指しているはずなのに、文の着地点が違います。FXの差金等決済は申告分離課税で自分で申告するものなので、僕の作業に直接効くのはNo.1522の書き方のほうだと読みました。
ただ、これは僕がそう読んだというだけの話です。どちらの記述が自分に当てはまるかを本文から断定するのは、たぶんやりすぎだと思っています。両方のページに令和8年4月1日現在法令等と表示されているので、申告する年分になったら同じページをもう一度開くつもりです。
根拠法令の欄に、法律が1本増えている
タックスアンサーには、ページの下のほうに根拠法令等の欄があります。No.1521はこうでした。
所法35、69、措法41の14、41の15、復興財確法13、防衛財確法5の9。
末尾の防衛財確法が、今回の話に対応する部分です。措法41の14と41の15は、申告分離課税と繰越控除の根拠として以前から並んでいます。制度が増えると、根拠法令の欄の項目が増える。注記を読み飛ばしても、この欄の並びを前の年と見比べれば気づけたはずでした。
僕はこれまで、この欄を一度も見ていませんでした。読むのは概要と課税関係だけで、下までスクロールしていなかった。今年から、開いたページはいちばん下まで見ることにしています。
「基準所得税額」を先に確かめておく
注記の3つの数字は、すべて「基準所得税額の◯パーセント」という形で書かれています。所得の何パーセント、ではありません。
ここを取り違えると、桁がまるごとずれます。僕は最初、2.1パーセントを利益に掛けた数字を頭に浮かべていました。実際には所得税額のほうに掛かるので、規模が違います。
基準所得税額そのものの定義は、このページには書かれていません。用語の意味を確かめずに計算を始めないほうがいい、というのが僕の結論です。計算は確定申告書等作成コーナーに任せています。画面の案内に沿って入力すれば、必要な付表や明細書も自動で作られます。
ついでに気づいた、対象から外れる取引
No.1522には、この特例の対象になる取引の範囲も並んでいます。読んでいて目に留まったのが、括弧の中でした。
「金融商品先物取引等」の決済について「その金融商品先物取引等による金融商品の受渡しが行われることとなるものを除きます」と書かれています。商品先物のほうにも、同じ形の括弧が付いていました。
つまり、差金で決済するから申告分離課税になるのであって、受渡しで終わる取引はこの枠の外ということになります。僕が触っているのはドル円とユーロ円の差金決済だけなので今のところ関係ありませんが、枠の内と外の線がどこに引かれているかを知っておくのは、繰越控除の話にもつながります。
損失を繰り越す側の順序についてはNo.1523に書かれていて、翌年以後3年間という期間と、連続して申告書を出す必要があることはトレード記録の記事でも触れました。
シートに1列足しました
やったことは、ひとつだけです。
年ごとの集計シートの右端に「上乗せの内訳」という列を作って、令和8年分までの行に「復興2.1」、令和9年分の行に「復興1.1/防衛1.0」と書き込みました。文字を入れただけで、計算式は入れていません。
計算式を入れなかったのは、基準所得税額を自分で持っていないからです。持っていない数字を掛ける式を作ると、動いているように見えて中身が空になる。前に一度、埋まらない列を作って3週間でシートを開かなくなったことがあるので、入らない数字のための箱は作らないことにしています。
やめたこともあります。改正の解説記事を集めるのをやめました。1ページに3つの数字が書いてあって、根拠法令の欄まで付いている。それ以上のものが必要になる場面が、いまのところ思いつきません。
いま手元にあるのは、この3行です
- 令和8年分まで:基準所得税額の2.1パーセント(復興特別所得税)
- 令和9年分以後:基準所得税額の1.1パーセント(復興特別所得税)
- 令和9年分以後:基準所得税額の1パーセント(防衛特別所得税)
3行です。書き写すのに1分もかかりません。申告の作業そのものは、去年と同じ手順で済みそうだというのが、いまのところの見込みです。見込みなので、令和9年分の申告をする時期になったら、同じ3ページをもう一度開きます。
FX(外国為替証拠金取引)は為替相場の変動により損失が生じるおそれがあり、預けた証拠金を上回る損失が生じる可能性があります(元本保証はありません)。本記事は情報提供・読み物を目的としたものであり、特定の口座やFX業者への申込み、取引を推奨するものではありません。税額や申告の要否は所得の構成や控除によって変わるため、個別の判断は所轄の税務署または税理士にご確認ください。引用した記述は国税庁タックスアンサーの掲載内容で、制度や数値は改正により変わります。最新かつ正確な内容は必ず国税庁の公式サイトでご確認ください。業者を選ぶ際は、金融庁に金融商品取引業者として登録されているかを確認し、無登録業者は利用しないでください。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。掲載内容は執筆時点(2026年9月)の一般的な情報です。本サイトはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を利用する場合があります。


